まず、呼吸と言えば「肺の呼吸」(二次呼吸)ですが
息を吸うとき 呼吸で使う筋肉が縮まり 肺が大きくなって 空気が肺に流れ込みます
息を吐くときは 逆に筋肉はゆるむことにより 肺が小さくなり息を吐き出します
「脳の呼吸」(一次呼吸)は 息を吸う時には 頭の中に入った血液をもとに脳脊髄液の生産が起こり 頭蓋内の脳硬膜がふくらみ 頭も大きくなります
そして 息を吐くときは 頭の弾力に押されて 頭が小さくなっていくことで 脳脊髄液が頭から排出され 体へと吸収されていきます
そのことにより 呼吸中枢が刺激されて「息を吐く」という 肺の呼吸が起こります
肺呼吸(二次呼吸)と脳呼吸(一次呼吸)は常に密接な関係性なのです
脳脊髄液の生産と抑制により 頭が膨らんだり小さくなったりする動きのこと

脳内で作られる脳脊髄液の量が増え、脳圧が一定以上上がると生産が抑制されて
頭蓋骨の弾力で頭が縮小し その圧力で脳脊髄液の一部が脳から出ていきます
その結果 脳圧が一定のレベルまで下がると 再び生産が起こり、頭は拡張。
これの繰り返しが脳呼吸です。
🔸健康な人であれば 絶え間なく1日に2万回以上 脳呼吸を繰り返しています
脳呼吸に連動して肺呼吸が起こりますので、肺呼吸も1日に2万回と言われていますが、頭の拡大が続くと肺呼吸の呼気が十分にできなくなり呼吸が浅くなるため、脳呼吸より肺呼吸の回数が多くなります(脳呼吸は1分間に15回に対して、肺呼吸が18回〜20回)
🔸お豆腐のパックのように 柔らかい脳は脳脊髄液に浮かんでいて そのクッション作用により保護されているのです
どうして脳呼吸が「一次呼吸」と呼ばれるのか?
例えば、赤ちゃんが生まれてくるときに 難産だったり体が弱い状態で生まれてくると お母さんのお腹から出てきても頭がふくらみません。そうすると血液が頭へ入ってこないために 呼吸がはじまらない「仮死状態」になります
昔のお産婆さんは 呼吸を始めない赤ちゃんの足を持ってぶら下げるということをしました。そうすると重力によって頭に血液が入っていきます 次に お産婆さんが赤ちゃんのお尻を叩くことで 血液から作られた脳脊髄液が頭から排出され(生まれたら最初呼気から始まります) 次の吸う息で「オギャー」と産声をあげ 肺がふくらみ この世界での肺呼吸がはじまります
最初の呼吸は 脳呼吸から始まっているので「一次呼吸」 一次呼吸により起こるのが肺呼吸のため「二次呼吸」となります
でも この世界に生まれたことで 脳呼吸が肺呼吸に移行したのではありません
脳呼吸がなければ肺での呼吸はないということであり 人間は 生きている限り「脳呼吸」をし続けているのです
頭は大きくなったり小さくなったりするのか?
頭蓋骨は15種23個の骨から構成されていますが そのほとんどが結合組織(コラーゲン)にカルシウムが沈着して硬度をました骨。 また 組み合わさって球体になった頭蓋骨の接合面(縫合部)もコラーゲンでつながっています
そのために 頭蓋骨は大きさや形が変わり 頭蓋内の容積も変化するものなのです
特に胎児の場合 コラーゲンだけでできている大泉門 小泉門という溝があり その部分はペコペコと動いています。これらの溝は生後二年までになくなっていきますが 出産の時 お母さんの陣痛に伴う子宮収縮ではここがちじみ 頭が細長くなって骨盤孔を通過できるようになっています
現代医学には「頭の大きさは変わらない」「頭蓋内の容積は一定である」というモンロー・ケリーの法則という考え方が昔からあり 脳卒中などの病態を説明する上でも前提とされています
そのため ほとんどの人がそのことを知る機会はありません
しかし 実際に 頭の大きさ・硬さ・かたちは 手で触ってわかるほど変化するのです
宮野博隆先生をはじめ 先生のもとでしっかりと理論と技術を学んでいる先生方はもちろんのこと その技術を受けられている方も 自分の頭の大きさ・硬さ・かたちが変化していくことをわかるようになっていきます
そして 頭が大きくなったまま(息を吸ったまま)という状態が 脳の働きや身体にどのような影響をもたらしているかということも
頭が小さくなることで体が楽になるという経験から 実感していくことができるのです
生活や環境などの変化とともに 特に2000年以降 急激な免疫力と生命力の低下により 今 ほとんどの人の「頭が大きくなったまま(息を吸ったまま)」といった状態になっています
その息を吐ける状態になると 自分の治る力で回復していくということが起こってくるのです
宮野先生は「1回でも施術を受けると人生が変わる」とおっしゃっていましたが 脳脊髄液調整法はそれくらいすごい発見と発明なのです
この理論とテクニックは 医療革命と言っても過言ではないと 私はいつも感じながら 少しづつでも宮野先生の技術に近づいていけるように勉強を続けていきたいと思っています
まずは 本で紹介されている脳呼吸のホームケアからはじめてみてください
手上げや踵上げをしてみても やった〜という感覚はありませんが
それでできています とにかくていねいに続けていくことが大事なのです
