CSFプラクティスでは人間の体をこのようにとらえています
人体は水の入った大中小さまざまな風船(袋)の集まり
弾力のある皮膚の下には 伸縮性のない結合組織(コラーゲン)の深筋膜があり これが全身を包む大きな袋 その中に脳·内臓や骨·筋肉等の器官を包む中位の袋があり 更にその中には「細胞」という小さい袋があって 細胞の外も中も水で満たされています(気管、肺を除く)
それぞれの袋(各臓器、器官など)は ヘチマ様(網の目状)の線維で結ばれていて 袋があっちこっちに動かないように 全部がつながっています
そして、この大きな袋の中は60%が水。それほどたくさんの水で満たされているのは 私たちの細胞が代謝を行うため
私たちの体は37兆個もの細胞でできていて、そのひとつひとつの細胞全てが生命の担い手なのです
全ての細胞を浸している体液から 細胞膜を通して水が行き来をし「酸素と栄養をうけとりエネルギーを作りだす」「老廃物と二酸化炭素が回収され体の外へ排出される」
その細胞の代謝がスムーズにおこなわれるためには 命の水である体液が絶えることなく全身を循環していること
流れが弱くなったり 滞っているところはすぐに澱んでしまいます
流れが悪くなると 体液が弱アルカリ性から酸性へと変化していき 細菌やウイルスが住みやすい体内環境となっていくのです
現代医学は重要視していない体液の循環ルート
体液というと 血液 リンパ液 組織液は すぐに思いつきます
血液やリンパ液は それぞれ血管系 リンパ系を循環し 末梢で全身各部位の細胞を浸している体液(組織液)と入れ替わります
組織液は 細胞のまわりにある細胞外液のことで 直接 細胞内液との物質のやりとりをすることで細胞の代謝を支えている体液です
※ 細胞外液の90%が毛細血管から回収されて静脈血に戻り、10%が毛細リンパ管から吸収されてリンパ液になります
それ以外に 現代医学では重要視されてこなかった体液の循環ルートがもうひとつあります それが脳脊髄液が循環する神経系です
脳脊髄液は 脳へ送られる血液を材料に作られる細胞外液で 脳内から脊髄 また神経があるところには鞘があり その管を通って末端の器官へと流れ循環しています
※人間の一番の中枢である脳と神経を浸す細胞外液が脳脊髄液です
「脳脊髄液の循環」のことを脳呼吸と呼んでいます 脳呼吸とは?
体液の流れ その原動力となるもの
現代医学では心臓の拍動によって動脈血の循環があるということを明らかにしていますが、静脈血やリンパの流れ ましてや細胞の代謝に必要な体液(細胞外液·細胞内液)について その流れの原動力について説明がされることはありません
また 普段 私たちは血流ばかり意識するようになっていますが 人間の体内の血液(血球を除いた血漿)の割合は「体液全体の13~14%」ほどしかありません
それ以外の大半の体液が体内循環するためには 何が原動力になっているのか
CSFプラクティスでは 長年の研究により以下のことが原動力と考えています
※以下は「脳呼吸が整えば鬱は改善する」の文章から引用
① 脳の働き
全身の体液の循環をコントロールし、各器官·組織で細胞に代謝を行わせている体の司令塔が脳。特に中脳にある自律神経中枢などの働きによって、呼吸や血液循環などの生命維持機能と、全身のあらゆる臓器の活動をコントロールしている
② 脳呼吸による体内圧力の変化
脳呼吸で頭が拡大すると、体の外側を包んでいる深筋膜が拡張。するとその中の漿膜や筋膜なども拡張し、水風船状の袋が膨らむ。また、頭が膨らむと背骨はまっすぐに伸びて椎骨同士の角度が緩やかになるため、背骨の中を通っている脊柱管が広がって脊髄も拡大。こうして脳で作られた脳脊髄液が頭から排出されやすい状態になる。
そして、全身各部の末梢では、細胞の袋も拡大し、細胞外から細胞内に体液を引き込む圧力が生じる。
次に頭が縮小して脳脊髄液が頭から排出されると、深筋膜から細胞に至るまでの大小の袋も縮小。その際背骨はS字状に弯曲するので、椎骨同士の角度がつき、脊柱管が狭まって脊髄も縮小することになる。
これにより脊髄内の脳脊髄液は末梢へと押し出される。
この動きを細胞レベルで見た場合、細胞内から細胞外への体液の流れを促す圧力が生じることになる。
末梢の細胞外液が毛細血管から静脈に入る流れ、毛細リンパ管から吸収されてリンパ液になる流れも脳呼吸による体内圧力の変化が生み出している。
こうした体内での圧力の変化が末梢の体液を静脈などに回収させ、体の中心(心臓)へと向かわせる力となっている。
私たちが寝ている間も休みなく細胞外液、静脈血やリンパ液が流れているのは 生きている限り続けている 脳呼吸のおかげなのです