ストレス(体が疲労する要因)

セリエのストレス学説

身体にとってストレス(刺激)は必要であり もし外からのストレスがなければ身体は退化してしまいます
 
ストレスと聞くとほとんどの人が「精神的ストレス」を一番に思い浮かべると思いますが セリエが1936年にこのストレス学説を提唱したときは 身体に影響を及ぼすストレスの中でも「精神的ストレス」は一番最後の6番目にあげていました

しかし 20世紀の終わり頃になると 自律神経失調症や不定愁訴など 原因がわからないさまざまな症状を訴える人が増え その不調の原因として精神的ストレスがあげられるようになりました 

その後 2010年頃から 抑うつ パニック症候群 学校や会社に行けないなど 日常生活が上手くおくれなくなる問題を抱える人が急増し 以前にも増す勢いで 「精神的ストレス」という言葉はひとり歩きをし続けています

そして 現在 健康であるための習慣として「ストレスの解消」や「運動をすること」が常識となっていますが すでに調子が悪い人にとって これらは根本解決の方向性ではありません

「ストレス解消や運動」この方法が正しいかどうかは 人ぞれぞれの考え方ですが そもそも「ストレス」のとらえ方がずれてきているのです

ストレスとは「物理的な圧力や刺激」を意味する言葉であり 人間の体が疲労する要因となるもの
「精神的ストレスが溜まっている」と言いますが 物理的に脳や体に何かが溜まっているという実体はありません

では 体を疲労させる(老化をすすめる)要因となるストレスとは何のことを言うのでしょうか?
 
例えば 金属であるネジに 圧力が加わり続けたり雨風にさらされて錆びついたりすると いづれは金属疲労を起こしポキっと折れてしまいます
このように物質を変化・劣化させる刺激のことをストレスと呼んでいます

セリエは「人間が病気になる原因」となるストレスを以下の順番であげています

ストレス(外からの刺激)は 必ずしも身体に悪く作用するものではありませんが ストレスが持続することは 身体に悪影響をもたらすと言っています

 
  身体に影響を及ぼすストレス  
第1ストレス 重力・その他重力に対する運動

第2ストレス 気候・気圧の変化

第3ストレス ウィルス・細菌の感染

第4ストレス 薬や酒 タバコ 排気ガスのような化学物質

第5ストレス 騒音などの環境要因

第6ストレス 精神的ストレス

 



  重力と運動  

重力について

重力は普遍的なものなので 元気な時に意識することは難しいですが 身体の調子が悪くなると 立っていること 座っていることでさえ「つらい」と 感じたことがあると思います 
それは重力に対して 身体を支える力が発揮できないくらいの状態になっているということ

そのため 横になることで 身体が少し楽になったように感じます

元気な時には感じませんが 体調が悪くなったり 年齢を重ねることで 体の変化として感じることができるストレスです

例えば 一番良くない運動のひとつでもある 長時間のパソコン作業などの「座りっぱなしの姿勢」
 

座っているんだから 疲れないのでは? と思いますが この場合「同じ姿勢を続ける(等尺性運動)」ことで 身体は疲労しています

このタイプの疲労は 運動した時のように「息切れがする」などは起こらないので 意識しずらいのですが 同じ姿勢を維持するために ずっと同じ筋肉を使い続けているのです

身体を支えるための筋肉の持続的な緊張と代謝障害によって 脳圧が上がるため 脳への血液供給もうまくいかなくなり 家に帰って眠ろうとしても 体の緊張が緩まないため うまく眠れないということが起こりやすくなります

長時間の同じ姿勢は 私たちが考える以上に 体は疲労していますので 合間合間に立ちあがって伸びをするなど 意識的に体の使い方を変えることでケアをしていく必要があります

「運動する=健康になる」ではありません

「運動は身体に良い、習慣的に運動をしていると体力がついて元気になる」と 運動することは 健康でいるための常識となっていますが もし あなたが健康のために運動をするのであれば その運動量に匹敵するだけの「休養や睡眠」をとることが重要です


頑張って動けば動くほど 体には強い圧力(圧迫ストレス)がかかります
そのために 筋肉や内臓は疲れて浮腫むため 脳脊髄液の流れは滞り 頭は大きくなり免疫力や生命力も低下するのです

しかし 運動には良いところもあります 
運動によりエネルギーをたくさん使うと 脳から「たくさん休め!」という指令が出ます
そして いつもよりぐっすり眠れると 睡眠による疲労回復がいつも以上にうまくいくことで 頭がすっきりして気持ちよく起きられたということ起こり これは運動による効果でもあります

ここで大事なことは ちょうど良い運動の量と種類は 人によって またはその時の状態によって それぞれということです
自分のウイークポイントをよく知って 自分にあった運動方法を選ぶことです


朝起きた時に「疲れが取れているか」「2〜3日経っても疲れが取れない」「運動してから身体がずっとだるい」などから 自分で判断し その時々の状況にあった 身体の使い方をして 無理をしないようにしましょう
 

また 運動の他に 食事や長風呂も 眠りにつながりやすいので気づきにくいところですが これらも体を「疲労」させる要因です


質の良い睡眠のための大事なこと

睡眠中は部屋の温度を20~22度で保つこと
必ず長袖長ズボンのパジャマを着て衣服気候をつくり
その上でしっかり布団をかけて寝ましょう


そのことで 睡眠中の代謝が抑えられますので 十分な休息に向かえます
疲労を回復するためには 質の良い睡眠を心がけることが一番大切です

 

 気候・気圧の変化 

気候気圧

陽気の変動による気温の変化に対して 自律神経が適応できないと 免疫の低下により 風邪をひいたりアレルギーがおこるなど 体調に影響がでてきます

気温の変化
私たちの体は 生命活動を行うために常に一定を保っています(ホメオスタシス) 
そのため 気温の急激な変化に対して 体を適応させるために疲労するのです
15度をきると免疫は低下しはじめ、24度を超えると代謝が亢進し始めます   
代謝が更新することは 老廃物の処理で腎臓に負担がかかります
また 脳の力が衰えると体温をつくる力も弱り 適応しきれないなど その人の弱いところにさまざまな症状があらわれてきます

気圧の変化
低気圧がくると 私たちの体(大きな袋)に対しての圧力も下がります
そうすると私たちの身体は膨らみ 頭も大きくなるため 脳呼吸がスムーズに行われにくく 体液の流れも悪くなるため 体調が悪くなるという人も多くなります 
低気圧が近づくと 「頭痛が起こる」 「膝などの古傷が痛くなる」など起こりやすくなります
これも体内圧迫ストレスと体液循環に関係しています

  感 染  

感染と疲労

私たちは外からくるウイルスと常に闘い いつも身体が勝っているので病気にならずにすんでいますが ウイルスとの闘いもストレスのひとつです

また 免疫低下による体内ウィルス(HHV-6)の増殖・炎症・硬化が 原因不明のさまざまな体調不良の要因となっています

  化学物質や環境など

化学物質と疲労

薬品(※上手に使用することが大事)・アルコール・排気ガス・黄砂(化学物質花粉)

電磁波・放射線など


  ストレスの影響を受けやすい人とは 

生まれ持った生命力がもともと低い人はストレスの影響を受けやすいと言えます また 生命力の強い人でも過度の疲労やその蓄積により老化が早まっていくのです 



CSFプラクティスの考える精神的ストレスとは?

気分がイライラするなどの精神的ストレスや 気分が落ち込むという抑うつ状態も うっ滞した脳脊髄液により 頭が大きくなっているため 脳に加わっている圧迫ストレスが生み出すための不調であると考えています

あえて精神的ストレスを物理的に説明するとしたら 脳細胞の代謝が悪くなり 二酸化炭素や老廃物のゴミが溜まった状態といえるかもしれません

蓄積疲労により 脳呼吸がスムーズに行われにくくなったため 脳内を含め全身の体液の流れの低下 また 頭蓋内圧迫により脳への血流がスムーズではなくなり 自律神経中枢の機能低下が起こっている状態から不調は始まっていくのです

そして 自律神経低下による起こる不調は その人それぞれの弱いところ(生まれつきの発育不全のところや流れの悪いところ)に起こります

抑うつ状態や精神の問題が起こりやすい人の場合 もともと大脳の前頭前野の発育不全があると考えられます 

そこが もし弱くなければ 気持ちの落ち込みはあっても 抑うつ状態にはならないのです(タバコを吸えば誰でも肺がんになる 甘いものをたくさん食べれば誰でも糖尿病になると言うことではないのです)


どのような症状でも 疲労による自律神経機能が低下で起こります 
まずは 頭を小さくして脳呼吸を整えることで 免疫力と生命力を高めていくことから始めていきましょう 



ストレスはこの世で生きていくうえで必要なものですが ストレスが過ぎると老化を早めてしまうものに間違いはありません 
ここで少し・・「自分とストレスのバランス」を考えてみて より良き人生にしていきましょう✨    臨床セミナーでの一部分です どうぞご参考ください!



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